空の上から愛してる


もし、この時先輩のところへ行かなかったら、あたしたちの未来はどうなっていたのかな。

今更後悔したって遅いよね。



ごめんね、優くん…。



真夏の日。
あたしは最低なことをした。
フラフラしているからこんなことになったんだ。あたしを責めて?
あたしが全て悪い。



先輩が待っている緑公園へ向かう。
やはり真夏日だからだろうか、公園には誰一人いなかった。
ある人を除いて。



青いベンチに座る先輩。学校帰りなのか、制服を着ていた。



「先輩…」



乱れる息。
待ち合わせ時間に遅れてしまうという焦りもあった。



「百合…来てくれたんだ!」



あの頃と変わらない笑顔。
変わってしまったのは関係だけ。



「何ですか?お願いって。寝てとか言わないでくださいね…」



すると先輩はカバンの中からあるものを取り出した。
太陽の光できらりとそれが光る。



「写真、撮ろ?」




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