空の上から愛してる


彼の金髪が、眩しかった。
彼女の笑顔が可愛らしかった。
二人の愛を見た気がする。



急に寂しいと感じる。
ここで先輩に戻っても勝手すぎる。
そんなことしたくない。



あたしは一歩、一歩、前に進んでいった。


右になにがあるのか、
左になにがあるのか分からない学校。
とにかく人が多くて、どうしたらいいのか分からない。


あたしは人ごみがあまり好きではない。
寧ろ苦手。
今日の満員電車で気分はダウン気味。


クラスは何組になったとか、入学式はいつからかとか気になったけれど後にしよう。


こう思い、あたしは人があまりいない場所に逃げ込んだ。
桜の木の下で、客観的のようにその光景をみる。


そんな時…





運命が動いたの…。



あたしの瞳はある人に奪われた。


その人は背が高く、
透明感のある肌、
目立つ大きな瞳、
真っ赤な唇、
そして気持ち良さそうに靡く、茶色い髪の毛。



完璧な人だと思った。
まるでどこかのモデルのよう。


心臓がどくん、と躍る。
沸き上がる感情。




あなたは、誰?





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