空の上から愛してる


お願い、見ないで。
けどあたしの存在に気付いて?


自分でも分からない。
この感情は、なに。
桜の花びらが、ひらりと落ちていく。

あたしは息すらまともにできなかった。


鼓動がどくんと鳴る。
周りの雑音が余計あたしに緊張を与えるのだ。



再び、彼のいる方向を見ると、そこに姿はもうなかった。
たちまち解放される緊張感。
ほっと肩を撫で下ろす。



「…かっこよかったな…」



王子様のような貴方は、一瞬でみんなを惹き付けてしまう。



魅力的な貴方。


また、会えるかな?



あたしは深呼吸をして、掲示板に近づく。
何組になっただろうか?



1組から順に見ていく。
あたしの名前はすぐに見つかった。
左側に男子の名前がずらり並ぶ。
そして右側に女子の名前。



ちょうど真ん中ぐらいにあたしの名前があった。
ふと、隣を見ると、男の子の名前がある。



その名前は…。




「鈴木優…」





あたしはこの名前を一生忘れない。
あたしの体に深く刻まれた名前だから。




優くん、
今もあたしの体は、優くんの温もりで溢れているよ…







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