空の上から愛してる


優くんがどうして謝るの?
あたしが悪いかもしれないのに。
謝らないでよ…



あたしは急いで電話をかけた。



もう、日が傾いていく。


誕生日が終わってしまう。



「優くん、今どこにいるの?」



『…わかんない…。緑公園ってとこ』



「緑公園!?わかった!すぐ行くから」





逃げないで待っていて…




緑公園までは近い。
あたしは今度はサンダルではなく、スニーカーを履いて公園へと向かった。



公園に着くと、空を見上げながら何かを考えている優くんがいた。
姿が確認出来た瞬間、ほっと安心をする。


会いたくてたまらなかったあたしは、優くんを抱きしめた。



「優くん!?どうしたの?何で朝、百合がいなかったら横にいなかったの?」



歪む視界。
潤む瞳。


またあなたは「ごめん」と謝るのだ。




< 167 / 468 >

この作品をシェア

pagetop