空の上から愛してる
嘘をつくのは嫌いだ。
なぜなら、信用を失うから。
でも知られたくない気持ちが強いから嘘をつく。
本当の気持ちを押し殺して、感情を剥き出しにしないよう、自分をコントロールする。
そうする度に自分の弱さに気づかされるのだ。
「百合?何してるの?学校は?」
するとドア越しからお母さんの声が聞こえてきた。
あたしはそれを聞いた瞬間、びくりと反応する。
体が敏感になってきている。
それは先輩が離れないからだろう。
「い、今行く!」
こう言って、カバンを持ち部屋を出た。
鎧を纏ったように、体が重い。
でも優くんの笑顔が見たい。
気持ちと体が交差をする。
手を広げてみると、やはり何かが足りない。
あたしと優くんが恋人だという証がない。
優くんは気づくだろうか?
どうか、素敵な一日でありますように…。