空の上から愛してる



最後にどうして言っておきたかった。



「いい加減にしてくれ…もううんざりだ…」



「優くん!?嫌だよ…お願い…」



「俺はお前を一度信じたんだ、もう一度信じるって。でもこんなんありかよ。もう無理」



きっと他人から見たら、優くんの言っていることが正しいと思うはずだ。

でも失いたくない気持ちが大きい。



優くんは立ち上がり、屋上から出ていった。
あたしもすぐに後を追い、分かってもらおうとする。



「優くん待って!!」




なぜ、人間は欲しいものを追いかける本能があるのかな。



あたしは優くんの制服の袖を掴み、引き止める。


「離せって!!」



抵抗する優くん。
けどあたしは離さなかった。



「嫌だ。もう一回百合を信じて!本当の話聞いてよ!」



「嫌だ、聞きたくない」


空っぽの心を埋めるのは優くんなんだよ。
優くんの笑顔はあたしの幸せなの。
もっと見ていたい。



「百合は優くんがすべてなんだよ?」



「どうせそれも嘘だろ?お前嘘つくの上手くなったな」



「何言ってるの?話を聞いて…」




全てを話すから。
汚された体をあなたは受け入れてくれる?





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