空の上から愛してる
運命の赤い糸があるのなら、あたしたちは繋がっていたかな?
見えない赤い糸が、あたしたちを繋げていたかな?
答えはないよね。
だってあたしはもう…。
教室がざわめく。
次々に教室に入っていく生徒たち。
あたしは一人で闘っていた。
うるさい心臓と。
隣に彼がいる。
教室を見るフリをして、彼を見る。
やはりかっこいい。
つまらない表情がさらにかっこよさを際立たせる。
学校が終わるまで心臓はもつだろうか。
張り裂けそうだよ…。
…そんな状態のまま、入学式は始まった。
入学式の最中、彼のことばかり考えていた。
大きな体育館の中に、彼はいて、あたしもいて、当然先輩もいる。
トライアングルの出来上がり。
この三角形が、まだ知らない未来をおかしくさせる。
…入学式が終わり、一人で教室に帰っていると、後ろから声をかけられた。
「ねぇ!良かったら友達にならない!?」
「え…?」
これが、沙紀との出会いだった。