空の上から愛してる
剥がせないプリクラを見て、優くんは何て思いますか?
また鬱陶しいと思いますか?
「百合ー!学校遅刻するわよ?」
一階からお母さんの声が聞こえてくる。
あたしは慌てて学校の準備をする。
今日は始業式。
ひとつ学年が上がる。
そしてクラス発表があるのだ。
昨日、沙紀と電話をしたときに溢した願い。
《優くんと同じクラスになりたい》
この願いは叶っているだろうか?
そればかり頭の中を埋めつくす。
雪の季節から、桜の季節になってもあなたを想う。
花びらが散ってしまわないように、激しくあなたを求める。
けれど運命は揺れ動いた。
また、あなたとの距離が遠くなる…。
ほら、あなたの背中がこんなにも遠いよ。
あたしは触れることができないのかな。