空の上から愛してる
それを知ったときは酷い脱力感に襲われた。
どうして、と神様に問いかけた。
でも聞こえてくるのは周りの雑音だけ。
そんな現実を受け入れたくないあたしは、その場から少し離れる。
木に持たれかかり、唇を噛んだ。
やっぱり…、そうなるのね。
神様は小さな願いでさえ叶えてくれないのね。
桜の木を見上げる。
そういえば、ここで優くんと目が合ったんだよね。
あたしがここにいると、どこからか視線を感じて。
そのあと、一瞬だったけど目が合って。
まだ鮮明に思い出すことが出来る記憶。
また、泣きそうになる。
ひらひらと散っていく桜があたしの代わりに泣いてくれているようだった。
掲示板を見ると見覚えのある姿がふたつ。
あれは、斉藤くんと沙紀だ。
誰かの温かい言葉が欲しかった。
あたしは二人へと歩み寄る。