空の上から愛してる
斉藤くんの肩を叩いて、存在を知らせる。
お願い、いつもと同じように笑って。
「小林…」
やはり斉藤くんから笑顔は消えていた。
そんな彼の姿を見てまた悲しくなる。
「あたしの願い叶わなかった…。ひどいよね。」
小さく苦笑いを浮かべる。
すると沙紀が軽くあたしに触れた。
「百合…」
伝わってくる、温もり。
泣かない、絶対に。
だから涙の代わりにもう少しだけ桜が散ってくれることを祈った。
あたしは二人を真っ直ぐ見つめて、口を開く。
「…優くんを泣かせないでね?」
もう優くんの辛い顔は見たくないの。
「任せろ。小林は今の気持ちを大切にしろよ…。見失ったりすんなよ。」
「ありがと。あたしはずっと優くんを見ているよ…」
この世界が滅びても、
明日あたしが死んでも…