空の上から愛してる


二人に別れを告げて、教室に向かう。
新しいクラスに魅力は感じられない。
優くんがいないのだから。


クラスを確認し、教室に入っていく。



「小林…さん?」



すると後ろから声をかけられた。
すぐ分かる。
この声は、相沢瞳。




「え?…相沢さん?」



後ろには笑顔の相沢さんがいた。
久しぶりに彼女が髪の毛をおろしているのを見た気がする。



「もしかして同じクラス?私一組なの」



そう言って、教室を指差す。



「あたしも一組。同じだね」



どこかで不安が解けた音がした。
本当は友達できるかなって不安だったから。




「良かった!私不安だったの!小林さんがいてくれて本当に良かったー!」



笑顔であたしに一歩近づく。
この笑顔を恨んだり、憎んだりなんてできなかった。


彼女はあたしの背中を押してくれたから。



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