空の上から愛してる
瞳は隣の空白の席に座り、あたしと会話をする。
「そういえば、優くんの誕生日どうだった?ずっと気になってたんだ」
どくん…。
あの寒い雨の日を思い出す。
冷たい優くんの態度。
少しだけ手が震えた。
「…渡せなかったの。受け取ってもらえなかった…」
下を向いて小さくこう言うと、瞳は溜め息を漏らした。
「何でかなぁ…優くんって意地っ張りだよね。素直になればいいのに」
「無理矢理…だったからね。」
瞳を見て小さく微笑む。瞳は口をへの字にして不満そうな表情を見せた。
「私が優くんのこと好きだったの知ってる?」
「え、…うん」
突然な質問で唖然としてしまう。
でも瞳は大事なことを教えてくれた。
「フラれたのはすごいショックだった。そのあとに百合と付き合ったじゃない?でもね、百合を恨んだりなんかできなかった」