空の上から愛してる


真剣な表情を浮かべて話す瞳。
あたしはその真っ直ぐな目を見て、頷いていく。



「お似合いだったもん。百合と優くん。だから応援したかった。別れたって聞いた時自分のことのように悲しかったんだよ」



そうだったんだ…と納得をしながら聞いていく。やはり彼女は心が綺麗なんだ、と改めて思う。



「ありがとね…応援してくれて」



「だから!諦めるなんて言わないで!」



「でも優くんには好きな人がいるかもしれないし…」



すると瞳は机に置いてあった携帯を手に取り、裏返しにする。



「じゃあ、このプリクラは?まだ好きっていう証拠でしょ?」




簡単に知られてしまう、今の自分の気持ちを。
剥がせない理由はまだあなたを想っているから。



「私、協力するから!頑張ろ!」



瞳の優しい笑顔と前向きな考えで救われたように思えた。



あなたを想う毎日が、違う環境になって始まる。



また桜の季節が終わる頃に一緒になれることを願って…。





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