空の上から愛してる


本当は大丈夫じゃない。優くんをあの団体の中から連れ出して抱きしめたいよ。
そう願うのは、ダメ?



あたしの視線に気づいてください。



まだスカートのポケットの中にはペアリングが眠っていた…。





…季節が変わり、夏になる準備を始める季節。
そう、梅雨の季節。
この季節は、あたしにとって衝動的だった。


あなたを忘れるきっかけとなりそうだったから。
あの人の存在で。



「小林、あとで職員室来てくれないか?」




学校が終わったあと、担任の伊藤先生に呼び出された。
あたしは心の中で『え?』と思う。




「なに?百合何かしたの?」




そう言って笑うのは瞳だ。
瞳とはすっかり仲良くなり、今では何でも話す仲。
彼女は最近恋をしていない。
彼女曰く、部活に集中したいんだとか。


そんな瞳があたしは大好き。




< 233 / 468 >

この作品をシェア

pagetop