空の上から愛してる
でも少しだけ距離を縮めたい。
あたしの強い思いが行動に移した。
「優っ、あっ…鈴木くん…久しぶりだね」
鈴木くんと呼ぶのはどこか歯痒い。
前に言われたのだ。
別れたら優くんと呼ばないで、と。
だから鈴木くんと呼ぶのだ。
本当は優くんと呼びたい。
でも他人だから許されないこと。
ぐっと我慢をする。
「…………あぁ」
優くんはあたしに一言こう言って、去っていった。
それを聞いた瞬間、体から力が抜ける。
単純に嬉しかった。
あたしの言葉に返事をしてくれて嬉しかった。
些細なことだけど、幸せに思えたの。
優くんの背中を見つめて、職員室に入って行く。
まだこの時は知らなかった。
あの人があたしの前に現れるなんて…。