空の上から愛してる
でも、なんか納得がいかなかった。
それは…きっと…。
「か…考えさせて!ちょっと唐突すぎて頭が…。」
今日は唐突な出来事が多い。
頭の中から煙が出そうだ。
「そうだよな。いきなりすぎたよな!まだまだ時間はあるからゆっくり決めなさい」
「はい…。また決まったら言います…失礼します」
職員室をあとにし、カナダ留学の案内のプリントを手に持って、教室に向かう。
心が空っぽな感じ。
呆然とそのプリントの内容を何回も読む。
「…留学…ね」
留学なんて頭になかった。
確かに留学は楽しそうだし力になりそうだ。
でもどこか引っかかる。
「やめよ、考えるの」
プリントをカバンの中に入れて、部活の用意を持ってグラウンドに飛び出る。
その時、彼に出逢った。
目の前をコロコロと転がっていくサッカーボール。
黒と白のボールが茶色く汚れていた。