空の上から愛してる
「そうなんだ…ごめんね。嫌なこと聞いちゃったね」
こう言って、あたしに謝ってくる沙紀。
「いいの、大丈夫!もう気にしてないから!沙紀は彼氏いるの?」
いるよね、可愛いもん。
沙紀は顔を真っ赤にして、白い歯をちらっと見せて照れくさそうに笑う。
「うん…いるよ。同じクラスなの」
「え?同じクラスなの?誰?誰?」
すると沙紀は辺りを見渡して誰かを探し出した。そして見つけたのか、指をさして、こう言う。
「あれ、あの金髪。」
あたしは指が示す場所へと視線を移すと、そこには金髪の少年がいた。
あくびをしながら歩いている。
色の抜けた髪の毛が、誰かに対する主張だと思った。
「髪の毛やばいでしょ?けどね、あたしは似合ってると思うの。かっこいいもん」
沙紀は更に顔を真っ赤にしてあたしに言う。
幸せそうな彼女を見て、あたしも幸せになりたいと強く思った。