空の上から愛してる
慌てて、窓から外を見下ろす。
グラウンドには、直先輩と、先輩の友達が複数いた。
あたしを見て手を大きく振る先輩。
「百合…あれって…」
「…元カレ…」
笑顔を見せてくる先輩に腹が立った。
こんな目立つ場所でやらなくてもいいじゃない。わざと?わざとなの?
あたしは腹が立ち、先輩に背中を向けた。
もうやめてよ。
あたしは前に進みたいのに…。
視界に入る、彼の姿。
廊下で友達と話していた。
やはりかっこいい。
何度見てもそう思ってしまう。
「百合、先輩行っちゃったよ」
「う、うん…」
彼を見たら、さっきまでの感情がどこかへ吹き飛んだ。
風に流されたのかな。
「あたし…」
きっと止まることはないと思う。
この感情は走り続けるだろう。
「沙紀、帰ろーぜ!」
すると金髪の彼が沙紀の名前を呼んだ。
沙紀は申し訳なさそうに理由を話し最後に「バイバイ」と言って、あたしの隣から去っていった。