空の上から愛してる
~9.温もりのない生活~
あの日、打ち上がった花火は、跡形もなく消えていった…。
そしてあの日、再びあなたに握られた手を離したくないと強く思った…。
犠牲にしてしまった人。あたしを責めることなく、優しく涙を拭いてくれた…。
あたしはやっぱりあなたが大好きです。
もう嘘はつかない。
あなたに信用してもらいたいから。
緑色をしていた葉が、茶色へ変色していく。
季節が移り変わっていく。
穏やかな秋晴れが続いていく。
夏休みは終わり、二学期のスタート。
二年生の二学期には修学旅行というイベントが待っていた。
行き先は沖縄。
沖縄に行くのは初めて。だから少しだけ楽しみだった。
「百合、沖縄楽しみだねー!」
隣では観光雑誌を見ながら気分を高めている瞳がいた。
「そうだね。」
実はまだ瞳には安里くんと別れたと言っていない。
言うのが怖かったから。なんて切り出していいのか分からなかった。