空の上から愛してる


運命的な出会いをしたこの日、あたしはいい夢を見ることができた気がする。
ふわふわな空間に、あたしと彼はいた。
誰にも邪魔されなくて、ずっと一緒だった…
けどこれは現実じゃない夢なのだ。

目が覚めてしまったらそこで終わり。
もう二度と夢の世界へ戻ることは出来ない。


ずっと続いたらいいのにと、思った。



目が覚めて、あたしはすぐ携帯を見ることはなかった。
怖いから。
もしかしたら先輩からメールが来ているかもしれない…という恐怖感があたしを襲ったからだ。


だから携帯を視界にわざと入れずに、準備をしていった。



そして、春晴れの良い日。
神様がご褒美をくれた。


このあたしに…。
あなたとの距離を縮ませてくれるというチャンスを与えたのだ。



優くんは、あたしとなんか学級委員になりたくなかったかもしれないね。


でもね、あたしは本当に嬉しかったんだよ。




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