空の上から愛してる


学校の準備をして、家を出ていく。
ゆっくりと時間が過ぎていく。


見たくない携帯は、カバンの奥底に放置してある。


学校に着いたら、内容を見てみよう。
彼に会ったら、気持ちが整理できそうだから。

けれど、彼は学校のチャイムが鳴っても姿を現さなかった。



何故来ないの?
不安が募る。
あたしが心配する立場ではないのだけれど、隣が空席だと悲しい。


あなたがいないと見たくない携帯を開けられないよ…。



「今から学級委員を決めます!」



先生が笑顔であたしたちを見渡す。


学級委員のことより、隣の彼のことが気になって仕方がない。
先ほどから隣をじっと見つめている。


けど…彼は来ない。



早くあなたが見たい。
あたしの体にあの感情を走らせて…。



…そんな時、勢いよく教室のドアが開いた。



「すみません!遅れました!」






やっと会えた…。



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