空の上から愛してる


この時、優くんはどう思っていましたか。
辛かった?
あたしの顔なんて見たくなかったかな?




「ごめんね!遅くなって!」




突然、教室のドアが勢いよく開いた。
みんなその音に反応をする。
教室に入ってきたのは林先生だった。



そして始業式が始まり、先生からの話で終わる。今日は早く学校が終わるのだ。



「今日はこれで終わります!さよ~なら!」



先生がこう言うと一斉に生徒たちが騒ぎ出す。
配布されたプリントをカバンの中に整理しながら入れていく。


優くんは斉藤くんと会話をしていた。
久しぶりの優くんの声。あたしは一人でその声に酔いしれる。
ずっと聞いていたい…。


でも優くんは教室から出て行ってしまった。
あたしのことなど気にも止めずに。



きっと広瀬さんを迎えに行っているんだろう。
そして仲良く手を繋ぎ帰っていくんでしょう?



あたしはそんな二人を羨ましく見ることしかできない、ただの未熟者。




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