空の上から愛してる

あの夢は何だったのだろう。
夢の中まで優くんが現れるなんて、それまであたしは優くんを求めているというのだろうか。


自分に驚いてしまう。
けれど夢の中の優くんも素敵で、また広瀬さんが羨ましいと思ってしまう。
そして、嫉妬をするのだ。


広瀬さんに優しく接する優くんを見て胸が苦しくなる。



この夢が現実だったら…と何度思ったか。
夢の中のあたしは、なりたい自分だった。


優くんに気持ちを伝えられて、答えを聞こうとしていたから。


本当はそう言いたい。
今にでも吐き出したい。


けれど現実の世界に戻されたあたしは、一瞬にして無力な自分に変わるのだ。



天井に向かってため息を吐いて、気持ちはしまったまま。

そして今日も一日始まる。


限界がちらつく。
こんな生活嫌だよ。



優くんに触れたくて、体が求めている。



誰か解放して。
縛っている縄を外して。

自由になりたい。