空の上から愛してる
~11.もう一度~
…ベッドの中で涙を流す。
あの、香水の匂いが離れない。
あの、広瀬さんの不安そうな顔が忘れられない。
この気持ちはどこに向かっているのだろう。
いい方向?
悪い方向?
答えはいつ出る?
安里くんからもらったクマの人形を抱きしめて、目を閉じる。
やはり思い出すのは優くんのこと。
冷たい顔、感情のない言葉。
あたしに対する態度の表れ。
だけど愛しいと思ってしまう。
本当にバカだよね。
「誰か、助けて…」
嘆いて、喚いて。
誰も教えてくれない。
誰も気づいてくれない。
あなたの答えを聞けたなら、あたしは諦めがつくのかな。
あたし、最近笑えない。泣いてばかり。
笑いたいのに無理なの。
笑おうとしても、涙が出てしまう。
体が『我慢するな』と言っているよう。
真っ暗な世界から出ることができないまま、毎日が過ぎていく。
そして、あたしは突き落とされた。