空の上から愛してる


教室を出た途端、後ろに気配を感じた。
トントン、と肩を叩かれ、あたしは咄嗟に後ろを振り返る。



「え?」



「ゆーり!久しぶり!元気?」



そこには満面の笑みを見せる、瞳がいた。
久しぶりの彼女の表情を見て、あたしは心の中でほっとする。
この笑顔、好きだなぁ…と思った。



「瞳!久しぶり!びっくりしたー!」




「今日部活ないじゃない?だからちょっと話したくて!今から用事とかある?」



「ないよ!話そ!話そ!」



瞳の腕に自分の腕を絡ませる。
人の体温はやはり落ち着く。



「百合は甘えん坊なんだからー!どこで話そうか?中庭行く?」




あたしは頷いて、二人で中庭に向かった。
誰もいない静かな中庭。そこにあるベンチに座り、二人のトークが始まる。


やはり内容は恋愛話。
瞳はあたしのことを気にしていてくれたよう。
だから今日誘ったらしい。


瞳は頼れるお姉さんなのは変わりない。




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