空の上から愛してる


照らす、光。
反射する、雫。


演出する、自然たち。
全てに命が存在していると訴えているよう。



「瞳、飲み物いらない?あたし買ってくる!」



「いるー!ココアがいいな!」




「じゃあ買ってくるね」



カバンの中から財布を取り出して、体育館の方に向かっていく。
ここから近い自動販売機は、体育館の裏側にしかないからだ。


もし、飲み物を買いに行っていなかったら、あなたの答えを聞かなくて済んだのかな。


でも自動販売機に行っていなかったら、あなたは真剣に答えを見つけ出してくれなかっただろう。


自動販売機に向かう。
何にしようかなと考えながら歩くのが好き。
瞳はココアだと言っていたし、あたしはミルクティーにしようかな。



三台ほど並ぶ自動販売機の前で再び考える。


最初に瞳に頼まれたココアを買って、迷ったあげく最初に思ったミルクティーのボタンを押した。




遠くから聞こえてくる。ボールの弾む音。
あたしは足を止めるのだ。




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