空の上から愛してる


状況が把握出来なかった。
当たり?
当たりということはハズレではない。
ということは…
あたしが学級委員?



「ゆ…ゆり!当たりじゃん!学級委員ってことだよ!」



沙紀の言葉で確信を持つ。
あたしが…学級委員。



なぜ当たってしまったの…。
周りでは「良かった」などの声が舞っている。

あたしは良くないのに…。



「百合、もしかしてくじ運悪いとか?」



「う~ん…良くはない…かな」



確かに、くじ運悪いかもしれない。
過去に席替えをしたとき、何連続で一番前になったことか。
改めて自分のくじ運の悪さに気づかされた。



あたしはため息を溢しながら、自分の席に戻る。


そういえば、男子は?
男子は誰になったのだろう。




「さて!誰になったかな?学級委員になった人、前に出てきて」



先生はあたしたちを使って遊んでいるように思える。
楽しくなんかないのに…。


仕方なくあたしは指示通りに動いた。


その時、隣の彼が不機嫌そうな顔を浮かべて立ち上がった…。




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