空の上から愛してる


あのことは一生忘れることのできないこと。
少しだけ体が震える。



優くんは夜空を見上げながら、ゆっくりと言葉を並べていった。
まるで散らばった悩みを丁寧に整理していくように。




「百合と付き合って楽しかったよ。でもつらかった。だから百合とまた付き合うと、そうなるんじゃないのかなって思ってた。俺は逃げてたんだ…恐れていたんだ…」




「…ぅ…ん」



ジャージを握りしめ、唇を噛む。
あたしはフラれる、きっと。
優くんが出した答えは、広瀬さんとあたし、どちらでもない。


そんな気がした。



でも神様は微笑んでくれる。




「百合…一度しか言わないから聞いて?答えを聞いて?」




ついに来た、この瞬間。答えを聞く前に涙が込み上げてくる。
やはり涙は出てしまう。昔の自分とはお別れしたはずなのに…。



あたしは首を縦に振る。心の準備はできている。



教えて、あなたの答え。



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