空の上から愛してる



続くと思っていた…。
これは自惚れだったのかな。



「百合…もう離さないよ…もう逃げないから…俺についてきてくれる?」



まるでプロポーズみたいで笑えてしまう。
もし優くんにプロポーズをされたら、すぐに返事をするだろう。


早く永遠に結ばれたい。


芽生え出す、新しい夢。

あたしは…結婚して、
鈴木百合になりたい…。




「当たり前だよぉ…」



「百合…ありがとう…」


優くんはゆっくりあたしを離して、あの頃と変わらない笑顔であたしを見つめてくれた。
あたしの大好きな笑顔。
やっと見れた…。



この笑顔を忘れません。世界が変わっても…忘れません。




「百合…あれ持ってる?」




「あれ?」




「俺達の思い出のモノ」



それだけのヒントですぐわかってしまう。
これでしょう?



あたしはジャージのポケットからあれを取り出す。
優くんに包まれた日から、あたしは肌身離さず持っていた。
迷惑ではないと言われたから、ずっと傍に持っていたかったから。



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