空の上から愛してる

この時のことを今でも覚えている。
大切なあたしの想い出だもん。




一時間目が終わり、あたしはあることに気付いた。
それは携帯のこと。
ずっと見られなかった。怖くて見ることが出来なかった携帯。
けど見てみようと思う。
いいことがあったし、大丈夫だよ、きっと。



あたしはカバンの中から携帯を取り出す。
けどやはり一人で見るのは怖い。
携帯をぎゅっと握りしめ、沙紀がいる場所へと走っていく。



「沙紀、一人じゃ怖くて…見れないから、傍にいてくれる？」




「もしかして…昨日の先輩からのメール？」




沙紀は鋭いね。
あたしの心情をすぐに見抜いてくれるから。



ゆっくりと携帯を開いていく。
液晶画面に映る文字。
『新着メール 二件』
『不在着信 一件』


先に不在着信の相手を見た。
やはりそれは直先輩。


次にメールの内容を見ていく。



一件はこう。
『明日放課後会えない？』


日付は昨日のもの。


もう一件。
『緑公園で待ってる。来るまで待つから』