空の上から愛してる


二件目の日付は今日の朝だった。


先輩のしたいことが分からない。
別れたのに、『好きな人が出来るまで待つ』って言ったのに、どうして?


あたしは曇った表情を浮かべる。
すると沙紀があたしの肩にぽんっと手を置いて言葉を並べた。



「百合は自分の気持ちを大事にして行動すればいいよ。中途半端なことはやめなよ?先輩が付け上がるよ」



沙紀の言葉がどこまでも響いていく。
分かってるよ、分かってる。


あたしは素直にならなくちゃ。
先輩からのメールを消去し、携帯をブレザーのポケットにしまった。



「あたしはもう先輩を好きじゃないから…」



「それが一番だよ!」



沙紀の笑顔を見るとほっと癒される。


そう思うよね?斉藤くん…。




「沙紀ー!」


するといきなり、斉藤くんが沙紀を呼び寄せた。

沙紀は「ごめんね」と一言あたしに言って、斉藤くんのところに向かう。



やっぱり、この世界には神様がいると思うの。




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