空の上から愛してる


だからあたしに希望を与えてくれたんだよ。



斉藤くんと沙紀が何か話をしている。
隣には鈴木優くん。
あたしを仲間に入れてよ…と三人を見て思っていた時、沙紀があたしを呼んだ。



「百合ーこっち来て」



手招きをする沙紀。
一瞬驚いてしまった。
あたし…行ってもいいの?


邪魔じゃないかな?



躊躇う自分。
けど仲間に入りたい。



「なぁにー?」



演技をしてみる。
本当は嬉しさと緊張が入り交じっていたのだけれど、わざと余裕ぶってみる。


近づく、距離。



「ごめんね、小林さん!実はこいつが…」



斉藤くんが笑顔を溢しながら、あたしに事情を話し始めたとき、横から彼が口を挟んだ。




「俺が言うから…あのさ、えっと…えっと…」



混乱している彼。
そんな彼を見ていたら、可愛いと感じた。



何を言おうとしているの?


悲しい言葉は嫌だよ?




「なぁに?」




「えっと…メアド教えて?」




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