空の上から愛してる


この日の夜、学校から帰って来てからずっと携帯ばかり見ていた。
早くお気に入りのメール着信音が鳴らないかな…とそわそわしていた。


真っ暗な空に浮かぶ三日月。
きっとあたしを見て笑っていたに違いない。
『バカだな』なんて呟きながら、嘲笑っていたのよ、きっと。



ベッドに寝転びながら、携帯を見つめる。
その時、静かだった部屋中に着信音が鳴り響いた。
電話の着信音。


あたしは慌てて起き上がる。
相手は、直先輩…。


忘れていた。あのメールの内容を。



もしかして本当だったの?あのメール。




出ようか?
出まいか?



沙紀の言葉が脳裏に焼き付いていた。
自分の気持ちを大事にしなきゃ…。



あたしはまだ子供だったのかもしれない。



だから神様は怒ってしまったのかな。




あたしは静かに、通話ボタンを押した…。




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