空の上から愛してる
運命は酷い…
そう思った。
騒ぎ出す乗客。
見渡しても状況が分かるはずがない。
優くんとのペアリングに触れようとした瞬間、そのリングは指からするっと抜けていった。
転がるリング…
あたしはリングを拾い、体を起こそうとした時、また機体は揺れ、飛行機は火をふいた。
「優くん…助けて…優くん…優くん…」
何度も名前を呼んでも、優くんからの返事はない。
リングを握りしめ、心の中で叫ぶ。
その時、誰かがあたしの肩を触れた。
隣を見ると、ブロンド髪の少女が微笑んでいた。
そしてこう言ったのだ。
「…安心して…」
少女の言葉を聞いたあたしの体は、震えがとまり、彼女を微笑むことができた。
低空飛行していく飛行機。
暗い海は、まるで闇のようだった。
優くんに見せたくてカナダで買った白いワンピース。
優くんに見られることはなかった。
あたしの時間は止まり、世界が変わった。