空の上から愛してる



気づいてた?
ちゃんと聞こえているよ。



ちゃんと見ているよ。




あたしも愛してる。
でも聞こえないのかな…。




ずっと見守っていた。
優くんの生活をここから。



でも優くんは泣いてばかりだったね。
あたしは優くんの笑顔が好きだったのに、ずっと泣いてばかり。



笑ってよ、と言えない自分が虚しい。
触れることすら自分が儚い。




優くんには幸せになってもらいたい。



これがあたしの望みだよ…。




ねぇ、あたしの手紙届いたかな?
読んでくれましたか?




あたしを思い出してくれましたか?








優くんがもう一度、人を愛そうとした時、本当に嬉しかった。
あの人なら優くんを支えてくれると思っていたから。



ありがとう…
優くんを暗い闇から救ってくれて。
でも少しだけヤキモチ妬いちゃった。



馬鹿だよね、あたし。




でもね…
ここから叫んでもいいよね?




優くんに向かって…
言えなかったあの言葉を…





好きよ、優くん…
大好きよ、優くん…






聞こえるかな…。






真っ白な世界で…
あなたの笑顔に囲まれながら…あたしは生きていく。





空の上から…








「優くん…愛してる…」











空の上から愛してる…。






< 465 / 468 >

この作品をシェア

pagetop