空の上から愛してる


二人で一緒に学校に行くと言っていた約束は、もう叶えることができない。


先輩はもう彼氏ではない。
だからあたしは一人で学校に行くのだ。


不安はある。
ないと言ったら嘘になる。

清秀高校にしなければよかったと、別れたあとに思ったけれど、今はそう思わない…。


あなたに逢えたから。



あたしは携帯についていたストラップを外した。
これは先輩とお揃いのストラップ。
先輩はもう外してしまったかもしれないけど、初デートのときに買ったもの。
想い出の品だ。
でもこれはもう要らない。


リセットをしよう。



今日からスタートをしよう。




「百合?起きてる?」



部屋をノックしたあと、こう言って部屋のドアを開けたお母さん。
あたしは体を起こして、お母さんに笑顔を向ける。



「起きてるよ、おはよう!」




今日、誰と出逢うかなんて分からない。
未来など分かるはずがない。



あたしの未来は、あなたを悲しませる未来だった…。





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