空の上から愛してる


あたしは斉藤くんと沙紀に全てを話した。
ひとつ、ひとつ心を苦しめていたトゲがゆっくりと抜けていく。

軽くなる心。
丸くなる心。


心には優くんを好きという気持ちしか残っていない。


斉藤くんと沙紀は話しを理解してくれた。
優しく微笑んでくれて、受け入れてくれた。

二人との距離が縮まる。けれど優くんとの距離はまだ一定のまま。


「鈴木くんは、相沢さんにメールするのかな?あたし、して欲しくないよ…苦しいもん。辛いもん…」



涙が落ちる。
透明の涙が、オレンジ色に染まる。



すると静かに、斉藤くんが言葉を漏らした。



「…小林、優にメールしろ。それで自分の気持ちに素直になれ」



優くんにメール?
自分の気持ちに素直に?


突然のことで、把握ができないあたし。
どういうこと?


斉藤くんは何を考えているの?




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