空の上から愛してる


「けど…あたし、鈴木くんの連絡先知らないよ?」


だって、あたしの元にメールが届いたのは、木田くんからのメールだったから。
優くんのアドレスなど知るはずがない。



「そう…だよな…
俺が教えてやりたいけど、そうすると優は疑問に思うよなぁ…」


確かにそうだ。
斉藤くんはあたしが話したことを知らないことになっている。
『斉藤くんにメールアドレスを教えてもらった』なんて優くんに言ったら、『なぜ?』と思うはず。


優くんに謝りたい。
話がしたい。
いい方法はないだろうか?


指先で涙を祓い、方法を考える。



「そうだ!その木田ってやつに聞けよ!優の連絡先。それでいいじゃん!」



「それいいね!そしたら怪しまれないし!」



斉藤くんの提案に賛成する沙紀。


木田くんに優くんのアドレスを…。
教えてくれるだろうか?


けれどこのままの関係は嫌だ。
優くんに近づきたい。


あたしはその提案に賛成することにした。




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