空の上から愛してる


あえてシンプルに。
無駄なことは書かずに。


優くんはメールを見てくれるだろうか。



「そーしん!!」



お願い、返事が来ますように。
送信ボタンを強く押す。

一秒でもいいから早く届いて…。



あとは、待つだけ。



…だけど、何時間経っても優くんから返事は来なかった。
真っ暗な液晶画面が、いつか光るだろうと予想する。
けどそれはただの予想。
現実にはならなかった。



優くんはあたしのメールなんかより、相沢さんとのメールの方が大事なのかな。

そう思い考えていると、急に苦しくなって、涙が零れた。



優くん、遠いよ。

もっと近付きたいよ…。


朝になっても、優くんからのメールは届かなかった…。




この夜、苦しい夢を見た。
それは優くんが相沢さんのところへ行ってしまう夢。
追いかけても、名前を呼んでも二人は離れていくばかり。
そしてあと一歩で二人届くというところが、暗い落とし穴だったのだ。



まさか、この夜、優くんも同じような夢を見ていたなんて知るはずもない。



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