空の上から愛してる
だけど、優くんと一緒に見た熱帯魚は、気取ってなんかいなかった。
それは、なぜ?
隣にあなたがいたからかな?
あなたと初めて行った水族館、忘れたりしないよ。
「水族館!水族館いいねー!私ずっと行ってないかも!」
隣で興奮をし、ぴょんぴょんと跳び跳ねる沙紀。気に入ってくれた?
あたしの答え。
「斉藤くんに言ってみなよ?あたしも水族館行きたいなー」
遠い空を見上げる。
今日も快晴の空。
明日も快晴かな?
「百合は、鈴木くんと…でしょ?」
「え…そんなの無理だよ…」
怪しく笑う沙紀を見て苦笑いをする。
そりゃ行きたいよ。
優くんと一緒にイルカとか見たいよ。
でもそんなの夢のまた夢。
「頑張ろ?百合。諦めちゃだめだよ」
沙紀はぎゅっとあたしの手を握ってきた。
その手をゆっくりと握り返すあたし。
諦めちゃダメ。