空の上から愛してる
分かってる。
分かってるよ。
最近、悩んでばっかりだ。
前に進まなくちゃ何も始まらない。
「…あれ?鈴木くんは?」
すると沙紀が後ろを向いてこう言葉を並べた。
あたしもその言葉を聞いて振り返る。
教室の真ん中で、斉藤くんと優くんは仲良く話していたのに、斉藤くんの姿しかなかった。
優くんはどこへ行ったのだろう?
沙紀は斉藤くんのいる場所へと向かう。
その後ろをついていくあたし。
「歩、鈴木くんどこに行ったの?」
「それがわかんねぇんだよ。いきなり用事出来たって言って、どっかに行ったからさ」
どくん…。
斉藤くんの言葉を聞いて心が揺れた。
そして嫌な予感がした。
背筋を何かが走った、そんな感じがした。
「あたし…不安だからちょっと行ってくるね…」
不安だったの。
あなたが離れていきそうで。