空の上から愛してる


昔好きだった人を、完璧に嫌いになるなんて不可能だって誰かが言ってた。
どこかで引っかかっている。
だって昔に愛した人だから。


あたしはまだ考え方が子供だったのかもしれない。
だから優くんを傷つけてしまった…。



この夜、嬉しくて、嬉しくて、なかなか眠れなかった。
優くんの言葉たちがあたしの体を駆け巡って熱くする。


早く、会いたい。



そして朝がくる。
今日の天気は快晴。
占いは3位。
ラッキーカラーはピンク。


今日はチークをいつもより濃くしてみようかな。

お洒落を楽しみ、学校へと向かう。
体が軽く感じた。
今なら空を飛べそうな気がするよ。
この蒼い空を。



「おっはぁ」



挨拶はいつもより元気よく。
緊張したけれど、早く優くんに会いたかった。



「百合、おはよ」



沙紀が笑顔であたしに挨拶をする。
優くんは下を向いていた。



「優くんおはよ!」



「おはよ…」




気づいてくれましたか?



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