願うは君が幸せなこと
「いやー、さすがです!僕感動しました!」
「あはは、ありがとう」
無事に契約更新を終えたので、三人で会社へ戻る。
興奮している創くんの横で、千葉さんは相変わらずの爽やかな笑顔だ。
「流れるような更新、さらにシステムのグレードアップまでちゃっかり!瀬名さんもすごいと思いましたよね!?」
「ていうか、なんで私まで……」
「たまにはね。ヒマだったでしょ?」
「そんな訳ないじゃないですか……」
呆れたように返すと、千葉さんはとぼけた顔で首を傾けた。
今回は千葉さんからの突然の提案で、私も同行することになったのだ。
勉強になるから来たくないわけではないのだけど、途中で置いてきた他の仕事が気になって仕方がない。
午前中の外出だったので、今はちょうど太陽が一番高い時間だ。
昼休みの時間帯の会社が多いので、外はそれなりに人が多い。
千葉さんと創くんと三人で外を歩くことなんて、今までに無いことだった。
今回も、もし千葉さんからの提案がなかったら、創くんと一緒に契約を取りに行くことにはなっていなかっただろう。
新しいものが好きな千葉さんは、新たなチャレンジや今までにないことが好きらしい。
「コーヒー飲みたくない?」
カフェの前を通りかかった時、千葉さんがそう言った。
確かに、取引が終わった後にはコーヒーで一息つきたくなる気持ちはわかる。
「創、そこで三人分買ってきてよ」
「はい!ありがとうございます!」
千葉さんが財布からお札を取り出して、創くんに渡した。
こういう所もスマートだ。
カフェの前の木の下に立って、創くんを待つ。
千葉さんと二人きりなのは、いつぶりだろう。