地上最強。
教室に入ってみれば、うん。想像通り。
てか、想像以上。荒れてるなぁ。


私は窓際の左の1番後ろの自分の席に着く。

ふぅ。と息をついて、教室を見渡す。
どこを見たってガラの悪い不良がいる。

‥だけど、私の周りは、人が避けてる?
避けてる?私の周りの3メートル以内には
人は居ない。ナニコレナニコレ。
仲間ハズレなの?速攻そんな事するの?




「おっ麗ちゃん!席、俺の後ろなんだな!」

横からそんな声が聞こえたから、
席に座ったままの私は、その声のする方を
見上げてみると、恭之助様が私を
見下ろしながらニコニコしてる。


「きょ、恭之助様!!なんで心強いんでしょう‥嬉しいですっ!」

「はははっ何かキャラ変した?大丈夫か!?ははは。このクラス、女の子麗ちゃんだけだからなー。心細いとは思うけど、いつでも俺に!何でも俺に!頼ってくれよ!」


そ、そんな、キラキラビームを目から
放射しないでくれ。頼む恭之助様。


って、え!?待って。え?待って。
今、何て言ったの!?!?!?
今このクラスに女の子、誰だけだって言った?
まって、う‥う‥う‥うら‥う‥


「浦島太郎!?!?!?!?」


「ーーーーーは!?」


やばい。大っきい声出しすぎたよ。
視線が痛い。どうしようどうしよう。


恭之助様はもちろん、その後ろで話してた
周りから距離を取られてる男の子3人も
私を見てる。


あ、私が避けられてるんじゃないんだ。
この人達との間に距離を置いてるんだ。
なるほど。でもなんで!?!?!?



いやいや今はそんなことどうでもいい。
なんてったって、私はいま過ちをーーーー



「プハッ!いきなり”浦島太郎”っちゃ、びっくりするな!どうしたんだよ、麗ちゃん!」


クスクス笑って、目に涙を溜めて私を
見下ろしてる、恭之助様。


「あっいや、その、このクラスに、女の子が、その‥誰だけなんですか?」


「え?麗ちゃんだけだよ!あっそれでびっくりしたワケね!それでも浦島太郎はねぇだろ!」

ゲラゲラゲラ!大げさに笑ってる恭之助様。



はぁ、私だけ。女の子は私だけ‥か。


「心細いなぁ。」


そう呟いた時だった。


ガラッ!

教室の前のドアが勢いよくあいたのと
同時に、勢いよく”何か”が入ってきた。



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