地上最強。
「席につけ!」
大きなドスのきいた声でそう言う男の人は
スキンヘッドにサングラスみたいなメガネに
髭を生やして眉間にシワが寄ってる。
いやこれもうシワになっちゃってるよね。
そしてホッペに傷がある。
ガタイが良くて‥この学校にぴったりだね。
「よぉオメェら!俺が担任の坂本冬茂ダァ!このクラスはとくに世話がやけそーだけどよ。仲良くやろうぜガキどもよ。」
‥なんてパンチのきいた声と言葉なの‥。
「何だテメー。そのいかにも人何人かヤったよーな顔してよく教師になれたもんだな。」
私の斜め前の席の”机”の上であぐらをかいている男の子がそう言った。
いや、君、怖いもの知らずなのかな?
私、生まれて、お嬢様として生きてきたからか
生徒に”オメェら”とか”ガキども”とか言う
先生‥出会ったことないよ。
だからすごく今この状況にびっくりしてる
「あぁ?なんだ?あ、オメーは、しのはらげんぺーっつぅガキだろ?そのじょーずにセットされた金髪はよ。」
「あ?なんだジジー。俺のこと知ってんのかよ?やだなー俺って有名人じゃんよー。勘弁してくれよー。」
「オメーみてぇに喧嘩に明け暮れてるガキは、嫌でも職員室で名前があがるだろーが。”気をつけろ”ってなぁ。ま、このクラスはその”気をつけろ”が多いんだけどよ。ふつー、居ても2、3人だろーがよ。勘弁してくれよ本当によー」
そう言ってもっていた竹刀を床にたたきつけて、ため息を吐く。
‥この人が担任だなんて。最悪だ。
「このあと9時半から入学式だからよ、すみやかに体育館に行けよー。自己紹介とかは、入学式のあとのホームルームでな」
そう言って、また勢いよくドアを開けて
坂本先生が出て行った。