夏色の空

七海杏は完璧に野球大好き人間で、クラスでも中心的人物で、とっても明るい性格をしている。

日和咲良は比較的おとなしい性格で、頭が良くて、運動神経もそれなりに良くて、顔も整っていて、モテる。

…まあ、日和とはあまり話してないから、人から聞いたことばかりなんだけど。

大人しくて、七海と比べれば地味な子だからあまり目立たないのだが、そこがいいという隠れファンが多いらしい。

七海が羨ましいとばかりにぼやいていた。


「ん。このクッキー美味いじゃん!日和はそんな感じだけど、七海は意外だったかも…」

感心しながら成宮がつぶやいた。

「失礼ね!ソフトボールとお菓子作りだったら誰にも負けないんだからね!」

「え、でも……日和も相当できるんじゃない?ソフトボールもお菓子作りも…それ以外もさ」

「キ~ッ!」

今にも取っ組み合いが始まりそうな……、今始まった二人は放っといてと。

「日和、ありがと」

「あ、どういたしまして」

七海の笑顔が太陽だとすれば、日和の笑顔は天使みたいだ。

こいつら二人が並んでたら、そこら辺の男子だったら一発でノックアウトとかいってしまうんじゃないかと思う。

まあ七海は完全スポーツ馬鹿なんだが。

そこは成宮と同類と言うわけだ。


「そういえば、今日はソフト休みなの?」

「はい」

「ふーん…」

ソフトも休みなのかあ……。

学校ではいつも、ソフトと野球で半分ずつ使っているグラウンドは、どこの部活が使っているんだろうか。ふと思った。

だいたい同じ日に休みとかはない。

片方が休みだと、オールで使えるので部員たちはその日を待ち遠しいのに。


ま、いっか。

考えたって分からないんだから、気にすることもないか。
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