アハト
目覚めると朝は遙か遠くにあった。

部屋は白くアハトはいなかった。

『おはよう』

オトコは部屋を出た。
目覚めたら部屋をでるのが日常なのだ。

夜の道を歩く。
花花は薄く光り、金の蛍は星をめざし飛んでゆく。

オトコは前だけを見て歩いた。

紅い樹はオトコを待っていた。
ライフと伴に。
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