アハト
黒と光の塔
オトコは目を覚ました。
ライフはいなかった。
上半身だけ起こすと自分が一本の橋の上に座っている事がわかった。
橋はかつてのオトコの部屋の様に白く佇み、周りに景色はなかった。
色がアルのかナイのかそれさえわからない。
音は色にもまして感じられなかった。
空気の痙攣に振り返ると深い青の瞳の少女がたっていた。
金色の髪のその腕の中にアハトがいた。
樹の下と同じ様に。
『ライフ』
少女は輝く様に微笑み、オトコを呼ぶ。
『ぼくはライフじゃないよ』
オトコは薄く笑って返す。
『黒いライフ。白いライフがあそこで待ってる』
少女はオトコの頭の後ろを指さす。
オトコは振り返る。
少女の指のさす先には一本の塔が現れていた。
塔は黒く、だが白く光っていた。
『ぼくには行けない』
オトコは少女を振り返りながら言った。
その顔は冷静で色のない微笑みを湛えていた。
『だったら戻るの?』
少女は後ろを振り返る。
少女から後ろへ視線を移しオトコは後ずさった。
橋はそこでぷっつりと切れ少女はそのギリギリの白のおわりに立っていた。
『この橋を切ったのはあなたよ。ライフ』
少女は金の髪を揺らしてにこと笑った。
ライフはいなかった。
上半身だけ起こすと自分が一本の橋の上に座っている事がわかった。
橋はかつてのオトコの部屋の様に白く佇み、周りに景色はなかった。
色がアルのかナイのかそれさえわからない。
音は色にもまして感じられなかった。
空気の痙攣に振り返ると深い青の瞳の少女がたっていた。
金色の髪のその腕の中にアハトがいた。
樹の下と同じ様に。
『ライフ』
少女は輝く様に微笑み、オトコを呼ぶ。
『ぼくはライフじゃないよ』
オトコは薄く笑って返す。
『黒いライフ。白いライフがあそこで待ってる』
少女はオトコの頭の後ろを指さす。
オトコは振り返る。
少女の指のさす先には一本の塔が現れていた。
塔は黒く、だが白く光っていた。
『ぼくには行けない』
オトコは少女を振り返りながら言った。
その顔は冷静で色のない微笑みを湛えていた。
『だったら戻るの?』
少女は後ろを振り返る。
少女から後ろへ視線を移しオトコは後ずさった。
橋はそこでぷっつりと切れ少女はそのギリギリの白のおわりに立っていた。
『この橋を切ったのはあなたよ。ライフ』
少女は金の髪を揺らしてにこと笑った。