いつか、このどうしようもない想いが消えるまで。



どうしてか、ずっと胸がドキドキして仕方ないの。

一番困っているのは、これなんだ……。



「ここの席最高だし、あたしは3月までこれでいいなー」


「えっ!」



ダメだよ。

このまま席替えがないなんて絶対に困るっ……。



「でもさすがにそれはないよねー。たぶん来週の中間テストが終わったらするんじゃない?」


「そっかあ。だといいなぁ……」



その線は濃厚かもしれないとあたしもうなずき、あと10日の我慢だと言い聞かせた。





…………なのに。

あたしの願いは届かなかった。


テスト勉強を必死でがんばって、テストも乗り切ったっていうのに。

ううん、それ以前に黒崎くんの隣で10日間がんばったっていうのに。

通常の授業に戻っても席替えをする気配は一向になかった。


クラスメイトたちも今の席で弊害はないらしく、席替えしたいなんて声も上がらず。


自分からそれを提案出来るわけもなく、あたしは黒崎くんの隣で息をひそめるように毎日やり過ごすだけだった。




心の中のモヤは、まだ晴れない───



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