いつか、このどうしようもない想いが消えるまで。
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「……職員室って遠いんだった……」
あたしは今、世界史担当の中島(ナカジマ)先生のお手伝いで職員室へ向かっている。
はじめはほかの子に声を掛けていたんだけど、みんなうまく逃げちゃって……結局あたしの役目に。
頼まれたら断れない……損な性格。
明應高校は広くて校舎の作りも複雑。
改めて職員室が遠いことを知り、みんなが逃げてた理由を納得。
職員室に入り中島先生を確認したあたしは、そこまで一気に突き進んだ。
「これ、頼まれたものです」
手渡したのは、チョークBOX。
1時間前にうちのクラスに授業に来たときに忘れていっちゃったみたい。
それに気づいて次の時間に顔を覗かせたものの、手には荷物がいっぱいだったことから持ってきてほしいと頼まれたのだ。
クラスに常設されたチョークを使う先生が多い中、中島先生は自前のチョークを用意している。
桐なのか分からないけど、高級そうな箱に入れて。